4月 2019アーカイブ

Tさんの場合

リハビリ病院勤務の時は、患者さんを自宅に帰すことが目的と指示を受けていました。それを目標にしていましたが、一度リハビリを卒業しても、再びリピーターとなって戻ってくる患者さんが多いことに気づいたそうです。そして外来に来た患者さんたちは、あまりいい顔をしていません。患者さんを自宅へ、と導いても、現実において、自宅で患者さんたちはどんな暮らしをしているのかが、気になったと言います。
たとえば、自宅に戻りたいと言っていた患者さんが、やっと自宅に帰れた後、最初の外来で表情が暗いことがあります。何故かと聞くと、家では何もできないと訴えます。何かをしようとしても、危ないから寝てろ、座ってろと言われるそうなのです。家族も慣れていませんから、慎重になるのもわかります。このような患者さんのケースは多くあります。作業療法士は、生活の中に、どのようにしてリハビリを落とし込むかを、常に考えています。病院でのリハビリでは、現実の生活面でのフォローはできません。そんなことから、在宅でリハビリを担当するほうがやりがいがあるのではないか、と考えて訪問療法士の世界に入ったそうです。
訪問看護の中でリハビリを始めると、さまざまな患者さんがいて、家族がいて、生活環境があることを実感したそうです。病院や施設でのリハビリ効果が、実際の生活の中では、生きないこともあるということにも気がつきました。それぞれの状況に応じて、患者さんのリハビリのプログラムを考えて、実践することが大切です。そうしなければ、在宅生活をできるだけ継続する、ということができません。患者さんに少しでも充実した生活を送って欲しいから、生活の中でリハビリをするのです。これがリハビリの本当の目的です。そしてそれが可能なのは、在宅看護だと実感したそうです。